茅ヶ岳山麓 
  まんじゅう石の秘密を探る
                 …饅頭石の神秘のベールを剥してみると 

 昇仙峡から韮崎に通じている,県道韮崎昇仙峡線のホッチ峠付近で計画されていた落石防止のための道路法面へのコンクリート吹き付け工事により覆われてしまって見えなくなる恐れのあった,自然記念物まんじゅう石の露頭が,文化財保護の声に押されて工事方法が変更され,残されることになった。この奇妙な名前を持つまんじゅう石とはどのような物なのだろうか,どのようにして出来たのだろうか。まんじゅう石の秘密を追ってみた。 まんじゅう石は茅ヶ岳南麓の海抜1100m前後のホッチ峠やマンジュウ峠,芦ノ口,扇平また,海抜600m前後のバク坂,団子坂などのローム(火山灰)層や凝灰角礫岩中から産出する直径1〜4p程の球状の石。外観は黄褐色をしているが,割ってみると黄褐色の部分は極めて薄く,内部はあずき色〜黒褐色の内容物が詰まっていて,ちょうどまんじゅうや団子のように見えるので,古くからまんじゅう石,団子石,いしなだんご等と呼ばれている。まんじゅう石がどのようにして形成されたかについては古く諸説があったが,1960年代以降,石の成分の化学分析結果をもとにして科学的に解明されるようになった。山梨大学の西宮先生や石田先生の研究によると,外殻はケイ酸,アルミナおよび酸化鉄(・)の水和物から。内容物はケイ酸とアルミナからできており,元になったと考えられる黒富士火山や茅ヶ岳・金ヶ岳の角閃安山岩などに比べ,外殻・内容物ともにケイ酸やアルミナは多く,アルカリ金属やアルカリ土類金属は極めて少なかった。…これらのことからまんじゅう石の成因は次のように推定されている。
 風化された安山岩の礫が有機物質の多い沼地などに堆積し,有機物質から生じた有機酸の作用を受けやすい小さい礫は,脱アルカリ化して加水ハロイサイトと呼ばれる粘土や石英に変化して内容物を作り,これに鉄分を含んだ地下水が作用して鉄皮が出来,さらに周囲の火山灰や砂なども付着してかたまり外殻を作った。この説以外にも,マグマの結晶分化作用によって形成されたとする考えも発表されている。…いずれにしても、まんじゅう石はこの地域の地史を探る上で非常に重要な意義を持っている。ホッチ峠のまんじゅう石産地は道路横にあり,自然記念物の看 ツもあるために,ひどく盗掘されているのが悲しい現状だ。マスコミで紹介されたために絶滅の危機に追い込まれた動物や植物の例は多い。広く知らせて重要性を理解してもらおうとする活動が,逆の結果に終わっている現状は全く残念だ。
 化学組成    外    殻 内容物[%]  母 岩
角閃安山岩
 外 皮  内 皮
 SiO2  41.06  43.49   45.46   62.34
 Ai2O3  30.91  32.14   30.91   16.81
 TiO2   0.94   1.21    1.26    1.21
 Fe2O3   5.55   9.84    3.47    1.71
 FeO   1.26   1.77    1.02    3.54
 MnO   0.03   1.20    −    0.02
 MgO   0.04   0.08    −    3.88
 CaO   0.11   0.03    −    4.16
 Na2O   0.26   −     −    1.41
 K2O   0.14   −    −    0.63
 +H2O  11.29   5.98   12.58    2.42
 -H2O   8.42   4.26    4.94    1.38
まんじゅう石の化学組成(ホッチ峠産
…西宮・角田 山梨大学教育学部報より
キツネアザミ (狐薊) Hemistepta Iyrata Bunge [きく科]
  校舎の周りのあちこちで,長く伸びた花茎の先に紅紫色の花を幾つもつけた,この草を見つけた。田や畑にたくさん生えている雑草の一つで、2000年程前に稲と一緒に大陸から渡ってきた。アザミの花に似ているが葉が軟らかくトゲがないなど,アザミとは違った特徴を持っているので,「狐にだまされたようだ」の意味でこの名が付いた。

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