最新ミネラルウオーター事情を探る…その1
山梨県産はシェア50%でNO1
…「ミネラルウオーター税」構想をめぐって
 近くのスーパーマーケットの飲料水コーナーに行くと,ペットボトルやビンに詰められたさまざまなミネラルウオーターが所狭しと並べられている。日本でのミネラルウオーターの販売量は,平成(1989年以降)になってからめざましく増加し,小型のペットボトル容器の使用が許可されたことなども追い風になり,前年比100〜150%というハイペースで増加を続け,2002年には年間売り上げ1,000億円を超える巨大市場へと成長した。
 スーパーの店頭に並んだミネラルウオーター  ミネラルウオーター税を報じる記事
     …2003.6.27 朝日新聞全国版より
 僕が高校生だった頃,まだ珍しかった海外旅行の土産話として,ヨーロッパのレストランではワインはただで飲めるが,水は有料だという事を聞かされて,不思議な感じがした。就職して間もなく,飲み屋で水割りを注文したら,きれいな小瓶に入ったミネラルウオーターが付いてきて驚かされた。それほど,当時の僕には,お金を払って普通の水を買うという事が実感として伝わってこなかった。
 長く,海外のジャーナリズムから,日本人は「安全と水はタダ」と思っていると揶揄されてきたが,ミネラルウオーターの販売額から見る限り,今の日本では,安全も水も対価を払わないと得られないものになってしまったようだ。それだけ,有史以来,稲作に基礎を置き自然界での物質循環を上手に利用してきた日本型社会が,物質の面でも精神の面でも急激に変質していると言えそうだ。   
 ところで,君は日本国内で売られているミネラルウオーターの半分が山梨県産だということを知っているだろうか。2002年の日本国内でのミネラルウオーターの総生産量は約1,110万kg。山梨県内での生産量は555万kgで全国シェア50%のダントツのトップ。2位兵庫のシェア11%,3位静岡の8%を大きく引き離している。
  ミネラルウオーターの県別生産量 
                        …日本ミネラルウオ ーター協会の資料 より作成

↑国産・輸入量の変化




←県内での生産量の変化






…日本ミネラルウオーター
 協会の資料より作成

 山梨県内でミネラルウオーターの生産量が多いのには,
1)豊かで良質な水資源に恵まれている。
2)富士山,八ヶ岳,南アルプスなど全国的にも知名度の高いブランドがある。
3)東京などの大消費地に近く,輸送コストが少なくて済む。
などの要因が考えられる。
 慢性的な自主財源不足に悩む県当局は昨年12月に,このミネラルウオーターに目を付け,水1gあたり0.5〜1円の法定外目的税(ミネラルウオーター税)を課税する試案を発表した。県はこの新税の導入により,年間約5億円の収入が見込まれるとし,この税金を使って水源を保護するための森林整備事業を行うと言う。これに対して,生産者団体で組織する山梨県ミネラルウオーター協議会では,圧倒的なシェアは地道な企業努力の成果である。地下水の汲み上げ量は製造業者が圧倒的に多く,ミネラルウオーターにだけ課税するのは税の公平性に反する。課税分が価格に上乗せされ,競争力が低下する。などを根拠に県の構想に反対し,新税をめぐって県と協議会の間でホット論争が続いている。
 一連の論争を聞いていて,僕は,協議会にも県にも「地下水は誰のものか」という視点が欠けているという印象を持った。大気や地下水,それに河川水などは土地の所有権とは異なり,特定の個人や法人には属さない共有物(みんなのもの)であるはず。ミネラルウオーターや一般製造業に限らずこれを利用して営利事業を営むのなら,応分の負担をするのが当然。県も県民だけでなく,人類の共通の財産である地下水を守り,将来も安全に継続的に利用し続けられるように努力するという姿勢が欲しい。君はこの「新税」を巡る論争をどのように考えるだろうか。
山梨の主な水源 …甲府西高化学部員と地下水の水質調査した際の写真より
 八ヶ岳山麓…大泉水源:大泉村  富士山麓…忍野八海:忍野村
↑甲府盆地…昭和町上河東


←南アルプス山麓…尾白川:白州町
清流にもペットボトルのゴミがいっぱい
      …鎌田川(昭和町押越)にて
オ モ ダ カ
面高 Sagittaria trifolia L [おもだか科]
 稲穂が伸び始めた近くの水田で,除草剤を撒き忘れたのか,稲の代わりに雑草の勢いが良い一角が目に付いた。その中に稲に負けないくらいに分けつした長い柄の先に矢じり型の葉を付けたこの花を見つけた。
 オモダカは田んぼや池の縁などに生える多年草,地下に出来る球茎は食用にもなる。面高という名は,人面に似た葉が高く伸びるところから付けられた。


  昭和町上河東にて

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