身近な川に目を向けよう
   カワゲラはきれいな水
                     …水生昆虫で水質を調べてみると

 数年前から,夏休み中に各地の河川で水生動物を指標にした水質調査が中高校生の手で盛んに行われるようになって来た。この方法は,川の汚れの指標としてよく使われる,BOD(生物化学的酸素要求量),COD(化学的酸素要求量),DO(溶存酸素)などの化学的な分析方法に比べて,特別な試薬や器具を必要とせず,操作も簡単などの利点を持っている。水生動物を指標にした水質調査は,どのようにして実施するのだろうか。
 一口に川の汚れと言っても,その原因は,土砂,油,洗剤,毒物,生活廃水に含まれている有機物などさまざまだ。川に住んでいる動物達は水に含まれている有機物の多少によって生息域が異なっているものが多く,この関係を利用すれば,河川の有機物による汚染の程度は次のように4つの段階に分けられる。大型のカワゲラ類とヒラタカゲロウ類が普通に生息し,水生昆虫が10種類以上生息している水は「きれいな水」。カワゲラ類がいなくなり.水生昆虫は7〜8種類以上いるが,ミズムシやサカマキガイ,イトミミズなど汚れに強いものが2種類以上生息している水は「少し汚れた水」。水生昆虫はユスリカ類だけになり,かわりにサカマキガイやイトミミズなどの汚れに強い水生動物が多く生息している水は「きたない水」。川底の泥にイトミミズなどしか生息していない水は「大変きたない水」としている。
 汚染の指標となる水生動物の調査は,昆虫達が羽化する前の春〜夏がもっとも分かりやすい。水生昆虫は流れの早い瀬の石や礫の下に多く生息しているが,ここばかりではなく、流れの緩やかな淵でも調べてみよう。台所で使っているザルを使えば簡単に捕まえることができる。採取した昆虫などは種類を調べて,固体数を確認しよう。種類を厳密に決めるのはなかなか難しいが,この調査では,おおざっぱに種類を決められれば十分。調査地点で採取した水生動物の種類や構成している個体数が確認できたら,先程の基準を元にして河川の汚染を判断してみよう。西校の横を流れている荒川も,上流の昇仙峡付近では,プラナリアやカゲロウなどが多い「きれいな水」で水道の水源としても利用されているのに,甲府市街に入って中小河川から流れ込む生活廃水によって汚染され,荒川橋付近では,サカマキガイ,イトミミズ,ヒルなどが多い「きたない水」に変わってしまう。

 数年前の夏に訪れた京都の街では,市街地を流れる鴨川の中で元気に水しぶきを上げている親子ずれの姿をあちらこちらで目にした。古くから下水道の整備が進められていたとはいえ,甲府の5倍以上の人口を持つ鴨川の水がきれいなのは,付近に住む人達が川を自分達のものだと意識しているからだと聞いた。「きたないから→川に入ってはいけません→さらに汚れる」の悪循環に陥るのではなく。「子供達が川の中で遊べる→きれいにしなければいけない→川に関心を持つ」と言う方向への意識の転換が必要ではないだろうか。水生動物達は身をもって私達にこの事を教えてくれている。
カラスウリ (烏瓜) Trichosarthescucumeroides [ウリ科]
 夜七時すぎ,娘の通っている保育園の横を通りかかると,ブロック塀越しに伸びている竹藪に絡み付いて独特の形をした白い花を咲かせているこの草をみつけた。カラスウリは雌雄異株の多年生のつる草で,あたりが夕闇に包まれる頃に咲き始める,白い花弁の先は糸のように細かく裂けて美しい模様のレースを見るようだ。夜にしか咲かないのであまり知られていないが,まさに造化の妙と言う言葉がふさわしい。晩秋になると果実は朱色に熟してくる。

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