甲府盆地の地下水事情を追って…その1
     高温温泉続々噴出 
             …開発進む「釜無川東部温泉群」の実態を調べる

 一昨年ぐらいから,学校への行き帰りに通るアルプス通り沿いや昭和町の周辺の数ヶ所で,大きなヤグラを組みボーリンングをしている光景を目にした。半年ほど前まで大きなヤグラが立っていた,学校近くの碇寿司の前で車を降り,「何をしているのですか」とたずねると「温泉の掘削をしている」との返事だった。しばらくすると,ヤグラは撤去され、ボーリングの現場では,太いパイプから,もうもうと湯気を上げて温泉が湧き出していた。 甲府盆地の周辺には,信玄公の隠し湯として古くから知られている湯村(志麻),下部,川浦などを始めとして,自然に湧出していた温泉が数多く分布している。さらに盆地内にも甲府市内や石和,春日居などには地下数十m〜百m程の場所から,多量の温泉が湧出し、一大温泉街を形成している。一方,1970年に発行された「山梨の温泉」の泉源分布図でも分かるように,釜無川東部一帯に泉源は一つもなく,この地域では,温泉は出ないと考えられてきた。しかし,数年前から,竜王,昭和,玉穂,田富など釜無川の東部地域のあちらこちらで地下1000mにも達する深層ボーリングによって40℃程度の高温温泉が相次いで開発され,これらの中には庭先や空き地に簡単な入浴施設を仮設した青空温泉として利用されているものなどもあって,しばしば話題にされている。

 温泉と言うのは、水温が25℃以上の地下水(温水),または多量の鉱物を含んだ地下水(鉱水)を指している。山梨の温泉は水温25℃以下の鉱水(鉱泉)が多く,加熱しないで入浴できる42℃以上の高温泉は余り多くない。活動している火山などの特別な熱源を持たない釜無川東部温泉群はどのようなメカニズムで高温の温水を作り出しているのだろうか。地下を深く掘ると,おおよそ100m毎に1℃の割合で地温は上昇していく。この割合で行くと,地下水が豊富な地域を3000m程掘れば,40℃以上の温泉が湧出することが期待できる。現在盛んに開発されている釜無川東部地域では,平均1000mの深度で40℃以上の温水が湧いており,地下深部に熱源が存在することが推定できる。現在は,無尽蔵に見える釜無川東部温泉群も,今後,無秩序な乱開発が進めば,石和温泉のように泉温が低下したり,枯れてしまう危険性もある。貴重な資源を大切にして欲しいものだ。
イヌハギ (犬萩)  Lespedeza tomentosa [まめ科]
 9月の中旬,我が家の前に広がる空き地では白い小さな花をたくさんつけたこの草が大きな群落を作っていた。イヌハギは山地や原野,海に近い砂地などに多く見られる多年草で,枝の上の葉腋から伸びた長い総状花序に多くの白色の蝶形花をつける。この空き地,確か昨年は,黄色の花をつけたセイタカアワダチソウやアシに占領されていたはずなのに,今年は,これらの草を隅に追いやってイヌハギが占領している。ふと目にした風景の中にも植物達の生存競争の厳しさを垣間見た気がする。

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