甲府盆地の地下水事情を追って…その2
     甲府盆地は巨大貯水池
                      …甲府盆地の地下構造を調べる

 釜無川東部温泉群を初めとして,甲府盆地の各地から多量の温泉が湧出する最大の原因として,豊富な地下水の存在が上げられている。盆地の地下に豊富な地下水が存在するのはどのような仕組みによるのだろうか。甲府盆地の地下構造を覗いてみよう。

 甲府盆地は,東西約25q,南北約15q,面積300q2本州を東西に分けるホッサマグナ地域に発達した構造盆地で,甲府断層群,御坂断層群,巨摩断層群によって周囲の山々から落ち込んだ逆三角形の形をしている。甲府盆地は,今から200万年前の第三紀鮮新世末期から起こった,盆地内部が沈降し,周辺の山々が隆起すると言う地殻変動によって形成されたもので,現在でも周辺の山々は 2〜 4p/年の速度で隆起を続けているのに対し,盆地は 2p/年の速度で沈降している。温泉掘削のボーリングデーターによると,盆地周辺の山々を作っている花崗岩や安山岩と同質の岩石は地下1000m付近に見られ,200万年間に盆地と周辺の山々は3000m以上もずれてしまったことが判る。甲府盆地の基盤になっている花崗岩や安山岩等の岩石は水を通しにくい不透水性であるのに対し,沈降によって大きく陥没した盆地に,隆起を続ける周囲の山々から流れ込んで厚く堆積した砂や礫は極めて水を通しやすい透水性と言う性質を持っているため,甲府盆地はスポンジを敷き詰めた洗面器のような地下構造を持ち,降った雨や流れ込んだ水の多くが地下に蓄えられて巨大な地下貯水池を作っている。しかし,盆地が本当の湖に成らなかったのは盆地の地表水が「富士川」と言う大きな流れになって,逆三角形の頂点に当る「禹の瀬」から流れ出していくからで,当然「禹の瀬」は絶えず「富士川」によって浸食されて低くなり,甲府盆地の地下貯水池の水も流れ出してしまいそうだか,実際は「禹の瀬」付近をつくる玄武岩や凝灰角礫岩などの不透水性の岩盤は周辺の山々と同様に 2〜 4p/年の速度で隆起を続けているため,急流で有名な「富士川」が激しく削りとっても,甲府盆地の地下貯水池を支えるダム堤の役目を果たし続ける事ができ,この心配はない。逆に「禹の瀬」付近の隆起が「富士川」浸食量を上回って水が流れ難くなっているため,増水時には「富士川」の水が盆地内に逆流して,周辺地域ではしばしば浸水の被害を受けている。

 「禹の瀬」の天然ダム堤に守られた甲府盆地の地下貯水池の最も深い部分には,数百〜千年も前の雨水が貯えられている。この水が基盤岩を通して供給される熱によって温められ,温泉水になっている。最近の1000mにも及ぶ深層ボーリングによって湧き出す温泉は,地下で長い時間をかけて作られた貴重なもの,それをヒトのエゴのために数十年の寿命で終わらせてしまって良いものなのだろうか。
ノボロギク (野襤褸菊)  Senecio vulgaris [きく科]
 日曜の午後,暖かな陽射しに誘われて近所の畦道を歩いていると,南向きの土手の斜面や休耕田で,小さな黄色の花や白い綿帽子のような冠毛をつけたこの花が何株もみつけた。ノボロギクは明治時代に日本にやって来た帰化植物,夏に湿地などに咲くサワギク(ボロギク)に似ていて野に咲くところからこの名前がついた。一株抜いて小さな鉢に植え,部屋の中に置いてみよう,春を待つ野の花のいぶきが聞こえそうで,なかなか風情がある。

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