化学部,井戸水からトリクロロエチレン検出
  やはり汚染,盆地の地下水
               …甲府盆地の地下水事情を追って…その4 

 「甲府盆地の地下水事情を追って」の一連のシリーズを通して調べたように,甲府盆地の地下水が発ガン性を疑われているトリクロロエチレンなどの有機塩素系洗浄剤によって汚染されているのではないかと言う不安に応えるべく,本校の化学部が8月下旬から9月にかけて実施した学校周辺および,甲府市南部の竜王,昭和,玉穂一帯のトリクロロエチレンを指標とした地下水汚染実態調査の結果,学校周辺の2ヶ所の井戸から,かなりの高濃度のトリクロロエチレンが検出され,甲府盆地の地下水も有機塩素系洗浄剤による汚染と無縁ではないことが明かになった。
 この調査結果は今月4日に開催された山梨県自然科学研究発表会で報告されると共に,14日の朝日新聞にも紹介され,大きな反響を巻き起こしている。山梨県の環境保全課の担当者も早速学校を訪れて,来年2月から県としても,国の基準を上回る調査地点を設定して地下水汚染の実態調査を実施する計画であるとの説明をして,内容を検討するため,化学部の調査結果の資料を持ち帰った。
 私がこの調査を化学部の生徒達と一緒に実施してみようと考えたのは,山梨県内では調査されたことがない地下水汚染の実態を明らかにしたいと言う目的の他に,もう一つ,高校生の君達にだって,その気になって工夫さえすれば、「ハイテク汚染」などとよばれて,百万分の一( ppm)以下と言う極めて微量なために,一般の人達には手も足も出ないと思われがちな物質の検出だって簡単に出来ることや,その結果が自分達の環境を自分達の力で守っていくと言う活動のおおきな力になることを知って欲しかったからだ。
 
 国が計画し,2月から県が実施する予定の地下水汚染調査は,原則として10q四方の地域で1カ所しか調べない。もし,この程度の間隔で調査がなされるのなら,今回僕達が検出したような小規模で,局地的な汚染は,恐らく調査にひっかかって来ないと思う。今回の調査でも,検出された井戸から 100m程度離れた場所の井戸からは,まったく検出されなかった。
 今まで余り開発が進んでいなかった分,まだまだ良好な状態で残されている僕達の周りの自然や環境は,現在,確実に変化してきている。何か具体的な事件になって,初めて組織的な調査研究が行われ,「ずいぶん前から問題があった」などと言う結論を出していたのではもう手遅れなのだ。まず「疑わしきは,自分達の力ででも調べてみる」と言った姿勢で当たらなければ,私達が住む山紫水明の,このやまかいの地をより良い状態で子供達に残していくことは難しい。

 ↑ 地下水を調査している化学部員
               (玉穂町井之口にて)


←ガス検知管を使ってトリクロロエチレンを
  検出する

トップページに戻る甲府西高編のトップページに戻るこのページの先頭に戻る