武川村山高 
     神代ザクラは弥生生れ
                …春の顔「サクラ」をめぐる話題を追って

 桜は本格的な春の訪れを告げてくれる代表的な花。そして,一斉に咲き揃い,瞬く間に散ってしまう姿は,日本人の精神構造を映し出しているとされ,人里にも数多く植えられ、大切に保護されてきた。そんな背景があったせいか,各地に巨木,名木が幾つも見られ,国の天然記念物に指定されているものも多い。その中でも,岐阜県にある「根尾谷の薄墨ザクラ」と並んで両横綱といわれているサクラの巨木が武川村にあると聞いて,早速,訪ねてみた。

 武川村牧原で国道20号線から別れ,甲斐駒ヶ岳の麓に続く道を行くこと数分,小高い丘陵の上にある山高という集落に入る。正面に迫る駒ヶ岳に向けてさらに道を進むと,ほどなく,淡紅色の花を付けた何本もの桜の大木に囲まれた実相寺というお寺が見えてくる。このお寺の境内に目指す「山高の神代ザクラ」はあった。神代ザクラは,エドヒガンという種類で,樹齢1500年以上と言われ(一説には2000年とも言う),根の周囲は15mを越す巨木だ。しかし,幹は落雷のために折れたためにトタン屋根で覆われ,幹の直径10m,樹高13mの堂々たる樹形を見ることは出来なくなってしまったが,残っている幹は淡紅色の可憐な花を一杯につけた枝を拡げ,依然,他を圧倒する風格を持っている。

 エドヒガンはアズマヒガンやウバヒガンとも呼ばれ,九州から本州にかけての山地に自生している。寿命が100年以上と長く,20mを越えるような高木になるものも珍しくない。県内にある巨樹名木と呼ばれている桜もほとんどが,このエドヒガンと言う種類で占められている。これに対して,私達の身近に多く見られ,サクラの開花予想の標準木としても利用されているのは,江戸の末期に江戸の染井村(現在の豊島区)の植木屋によって作られたソメイヨシノ(染井吉野)と言う園芸品種で,成長は早いが、一般に短命で病気に弱いとされているが,長坂町の清春芸術村には樹齢60年を越すソメイヨシノのすばらしい並木がある。山地に多く見られるのはヤマザクラで,花が開くより先に葉が伸びる。今年は,例年に無くサクラ前線の北上が早く,甲府でも例年より10日以上も早く開花宣言が出された。早くも,葉桜になってしまった桜を眺めながら,ふと,やはり地球の温暖化が進んでいるのかなぁ〜などと思いをめぐらせている。
 岐阜県根尾谷の薄墨ザクラ

  神代ザクラと同じエドヒガンザクラの古木で,樹齢1400年,男大迹王:おおどのおう(後の継体天皇)のお手植えの桜と言われ,樹の高さ17.2m,幹の周囲11.5m,枝のひろがりは南北23.9m,東西11.5mの堂々とした樹形を見せている。散り際に白っぽい淡紅色の花弁が淡い墨色に見えるところから「うすずみザクラ」と呼ばれている。
スミレ (菫)  Viola mandshurica  [すみれ科]
 本校の大先輩,小川正子女史を記念した中庭の「希望の園」を囲む石垣の隅に隠れるように咲く小さな紫色の花をつけたこの草を2株ほど見つけた。 スミレの名は花の形が大工道具の墨入れに似ているところからついた。

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